ミックス・マスタリングのエッセンス(2023年10月)

2023年10月08日
ミックス・マスタリングのエッセンス(2023年10月) | おりーばMIX
ミックス・マスタリングのエッセンス(2023年10月) | おりーばMIX

納品OK出ました。今回は歌入れ前のインストのみの案件でした。

ミックス

ミックスではパワーコードのギタートラックは1トラックのみでしたが広がりが欲しいのでバスに送りゴースト的に反対のパンに薄くパワーコードパートのコピーを配置しました。

そして、一番の終わりの無音箇所はスパッと音が止まって欲しいところでしたので勝手ながら拍のちょうど良い所でカットしちゃいました。これで切れの良いブレイクができます。

ヒアリングしてみますとリバーブ少なめで、リズム隊強めでとのことなのでお気に入りのAuraVerbリバーブは薄めで。ストリングスやピアノ、ハイハットなど個別に音作りしたいパートはSoftube TSAR-1リバーブで響きを作り込みます。

キックとベース、パワーコードが低域を奪い合っているので下から順にキック、ベース、パワーコードとEQのカットを使って帯域を整理しながら積み上げます。これでクリアなリズムになります。意外と大事なのが、キックのパツパツ鳴る成分が迫力を司っている事。同じくベースのベキベキ鳴る成分が切れの良いリズムを作っている事など考えると、低域を整理するためにカットしたかわりにキックのパツパツ成分、ベースのベキベキ成分をEQでブーストして補強します。

マスタリング

早速セールで手に入れたSSL Fusion Violet EQ使ってローを補強しつつも、いつものアナログ真空管EQで太く重心下げながらEギターのパワーコードを情熱的に仕上げました。

Pulsar Audio のMASSIVEも使いましたが、こいつオーバーサンプリングをオンにすると劇的に良い音に変わります(CPUはがっつり食います。私の古い10年物のMacではキツイ)。そして早くもお気に入りのAntelope FPGAエフェクターのReel-To-Reelテープシミュレータでハイを柔らかくしました。

そして最後は、Rupert Neve DesignsのPortico IIでステレオイメージも忘れず調整し、ストリングスに広がりを足します。リズムを強めにするためPortico IIのDepthを強めに掛けます。

あとは録音してiZotope RXでアナログ機器のノイズを除去してフェードインとフェードアウトを付けて曲の始まりと終わりを整えて完了です。今回のクライアント様は、CD化も考慮したいとのことで44.1kHz/16bit WAV形式で納品しました。音量は-7.7LUFSとCDではちょうどよい程度に仕上がりました。

感想

案件の依頼時にクライアント様からリファレンス曲も頂いてますが、細かい機材やパラメータの話は置いといて。目の前のこのトラックをどう聴かせたいか?を考えてクライアント様の頭の中のイメージに近づけていく。これを考えれば良いだけなので、やっぱりミックスマスタリングは楽しい作業です。

無料でホームページを作成しよう!